頭のなかみをそのまま筆に

東大生の頭の中、少しおすそ分け。

小説「サイモンvs人類平等化計画」感想批評(ネタバレなし)

ベッキー・アルバータリー著「サイモンvs人類平等化計画」読み終わりました。

ので軽ーく感想でも書いていきたいと思います。

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2015年に発行されたYAのLGBTQ小説です。原題"Simon vs the Homo Sapiens Agenda"

日本では岩波書店のSTAMP BOOKSで2017年に発行されています。「さよならを待つふたりのために」と同じシリーズですね。

日本版タイトルだとサイモンと人類平等化計画の対立みたいな構図ですがそんな殺伐としたものではありません笑。人間はみんなこうあるべきだという固定観念にサイモンが疑問を投げかけるといったニュアンスでしょうか。サイモンとネットで知り合ったブルーとのまっすぐな純粋な恋の物語です。ヤングアダルトの作品はこの疾走感が読んでて気持ちいいんですよね。

 

最近はLGBTQが社会的に日の目を浴びるようになってきました。2015年あたりがおそらく一番盛り上がった時期かもしれませんね。SNSのアイコンを虹色にする運動があったような記憶があります。同じSTAMP BOOKSでもジョン・グリーン共著の「ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン」が2017年、アメリカでは2010年に発行されました。今はLGBTQは落ち着いてきて、性被害告発の#MeToo運動がはやりですかね。SNSは大きな力を持っている。

 

日本ではよくLGBTといわれますが、これは不十分でさらにQuestioningを加えたLGBTQが一般的です。そのほかにも無性Asexualやその他の性認識もあります(すみません知識不足です、、)。しかしのこのLGBTQもAも、異性愛Straightが標準であってその他として存在するというように思われています。Straightが普通っていうのはおかしいんじゃないのってサイモンは問いかけているんですね。Simon(=LGBTQ) vs the Agenda( "Straight is Normal")というわけです。

 

ああ、確かに。的を得ているなと思います。私の高校の部活の親友はホモでしたしバイの知り合いも数人いるので、LGBTQには理解があると自負していましたが、そう思うこと自体が”the Homo Sapiens Agenda”ですね。知らず知らずのうちにLGBTQの人やその親友を傷付けていたのかもしれません。

 

「それでついでに言っとくと、みんな全員カミングアウトするべきだと思わない?どうしてストレートが初期設定なんだよ?全員がちゃんと宣言するべきじゃないか。ストレートかゲイかバイかそれ以外かって。だれにとっても、同じくらい気まずくなくちゃ、フェアじゃないよ。ま、おれの勝手な意見だけどね。」(サイモンのセリフ、本文から引用)

 

えーっと、あのー、そのー、私は、、、私は、、女性が好きです!!;P

 

※"the Homo Sapiens Agenda"は造語ですが、"the Homosexual Agenda"という言葉は本当にあってそれを著者がもじったみたいです。この"Homosexual Agenda"はキリスト教右派によるLGBTQへの誹謗に使われる言葉だそうです。詳しくはこの本のあとがきかwikiを参照。